こだわりの素材「栗の木」
いい家をつくるために
栗の木との出会いは、8年位前のことだと思います。春5月頃東北の岩手県へ趣味の渓流釣りに行った時のことでした。田んぼの淵に何やら不思議な数本の丸太の木が立てられてありました。
もう樹種が何かも解らない状態ですが、長い間風雪に耐え腐りもしないでしっかり立っておりました。早速近くの農家に行って何のために何年くらい使用しているのか、聞いてみたところ驚くことがわかりました。
その不思議な木は秋の稲の収穫に欠かせないもので、その木に引っ掛けて乾燥するのに使うらしいです。もっと驚いたのは、その木がいつ頃立てられたものか、わからないほど経っているということです。
また、その丸太の木が田舎の田園風景に何とも言えないあじわいがありしみじみと時が経つのも忘れ見とれてしまいました。それが私の最初の芯持ち栗の木丸太の出会いです。
それからある日、取引先の銘木店へ仕事のことで行った時のこと、築200年以上は経つだろうと思われる社寺の解体現場の話でした。その建物の土台に使われ飛び石基礎に乗せて設置しただけの栗の木が、200年間蟻害や腐らずに持っていたと言う話を聞き、栗の木のパワーにまた更に驚きました。
ちなみに、その栗の木は全部建具職人が持ち帰り建具にリサイクルされたようです。良い建具が出来たことでしょう、こうしてみると日本の建築と気候風土に合い、古くから私たちの生活には欠かせない木材であった事には間違いありません。
他にもいくつか発見いたしました。江戸時代につくられたと思われる時代箪笥や蒸気機関車の時代から、ごく最近まで線路の枕木として長い間利用されてきました。その枕木を今では更にガーデニングなどに幅広く再利用されております。
最近では、我が社で新築された8割位の方々が栗の木無垢の家具を購入しております。ダイニングテーブル、TV台、リビングテーブルセット、食器戸棚、箪笥、流し台まで特注された方がいました。また、この家具がお値段を調査してみるとかなりの高額で購入されていることがわかりました。
そこで建物の構造は勿論家具や家全体を見直してあらゆる箇所に安く広く使えるように、2年前から原木の開拓仕入れから製品加工まで計画を立て、このほど建物の土台やウッドデッキは全て栗の木を標準仕様にして、更に建具のドアや家具類もすでに受注生産に入りました。
栗の木は伐採から加工に入るまで、5年〜10年位の時間がかかりますので、特に家具材につきましては、10年位乾燥した大木を7〜8年間使用できる量を確保いたしました。ご安心ください。
そして原木ストックから、ただ今伐採中も含め長期間に渡り安く提供できる様になりました。今でも、時間があれば東北地方の山へ栗の木を探しに行っております。
とりあえず、我が社のこれからのこだわり、自社ブランドとして益々丈夫で快適でランニングコストの良い、他社では出来ない建物「いい家」作りに社員一同努力して外断熱新換気工法にもっと付加価値をつけ頑張る所存です。